くやし涙

 昨夜、こんなことがありました。

 うちの長女と次女は、ずっとバレエ教室に通っていたのですが、この1月からテニスに習い事を変えました。妻にいわせれば俺が強引に変えたとかなんとか言っていますが、子供たちとよく相談した上でのことです。12月頃、長女とこんなやりとりがありました。

俺「バレエ、うまくなってる気がするか?」
娘「わからない」
俺「テニスを今度はじめるのだけれど、パパはバレエをやめてテニスにしたほうがいいと思う。週1回1時間だけバレエを今やっているのだけれど、バレエをもっとうまくなるためには、週2日はやらないと駄目だ。でも、パパは週2日バレエを3人にやらせるほど、余裕がない。余裕がないというのはお金がないということではない。みんなと海外旅行とかするためにお金を貯めたい。これから車を買ったり、みんなを育てるためにいろいろお金がかかる。バレエを3人にやらせることはきびしい。ここまでわかった?」
娘「わかる」
俺「テニスを土日やるというのは、とても大変なことだ。パパも送り迎えをやるのは大変だ。だけど、土日にテレビのんびり見ている人と、土日にテニスを一生懸命やるの、どちらが一生懸命な人と言えると思う?」
娘「土日にテニスをやっている人」
俺「この前、運動会で早く走れなくて泣いていたけど、どっちが足が速くなると思う」
娘「がんばっている人」
俺「バレエ教室を週1日1時間で、体力がつくと思うか?」
娘「思わない」
俺「じゃ、テニス、どこまでがんばれるかわからないけど、がんばってみようよ。だめならそこでまた考えよう。」
娘「わかった」
と、少し誘導した部分もあるかもしれないが、この1月から、長女(8歳)・次女(6歳)・三女(3歳)は、三人ともテニス倶楽部に入った。妻は僕が強引にテニス教室にした、と言っているが、僕はバレエを見ても何がいいんだかさっぱりわからないし、何よりも、こどもたちの体力の落ち込みが、ここ数年顕著になってきたので、体力をつけさせたいと思った。運動会で、ビリになる長女次女がくやし涙を流すようなことをさせたくない・・・と思った。

 時は流れ、4月に入った。長女はここ何回かのテニス倶楽部の練習で練習試合をするようになった。軟式テニスは基本的にダブルス、ペアを組んでテニスをやる。長女は同級生の子と組んで試合をやっていた。サーブも入らないし、打球もまったく打ち返せない。もちろん、1月からはじめたので、そんなにうまくできるはずはない。まわりの子もわかっているので、ひとつずつ長女にアドバイスをしながら、打ち返せない長女と一緒に試合をしていた。次女もまったく試合にならないのだが、大きなおねえさんと組んで昨日は初練習試合をしていた・・・
 自宅に帰り、妻は仕事だったので、娘たちとハンバーグとクラムチャウダーをつくり、お風呂掃除をして、お風呂に入り、取り貯めていたワンピースなど見ながら娘三人と夕食を食べた。ハンバーグなんて生まれてはじめてつくったけど、なんとかなるもんだ(笑)
 で・・・夜。布団に入ると長女がとなりでシクシク泣いている・・・。何を泣いているのだろう?すぐに自分が原因かと思っても見たが、そういうわけでもなかった。「今日嫌なことがあった・・・」と。仕事から帰ってきた妻が長女に理由を聞くと、まったく打ち返すことも、サーブもできず、審判もうまくできずに、同級生に迷惑をかけた・・・、と自分自身を責めて長女は泣いていた。決して誰かにいじめられたとか、そういうことではなく、「くやし涙」だったらしい。
 長女が布団にもどってきて、抱き寄せた。
俺「はじめからうまくできないのはしょうがない、わかった?」
娘「(泣きながら)わかった」
俺「お友達も、うまくできないことを責めたりしてないよね?」
娘「うん」
俺「お友達は、できないことは責めないよ、でも一生懸命やっていなかったらだめだよ」
娘「うん」
俺「練習の時間は限られている。よく空振りするけど、一球一球真剣に打ち返すんだ。練習時間に一生懸命やらないと試合でも打ち返せないよ。バレエは球を追いかけることはないから、うまくなったかどうかわかりにくいけれど、テニスは違う。真剣に球を追いかけないと打ち返せない。真剣に練習しないとうまくならないよ」
娘「わかった」
俺「パパができることは送り迎えと球拾いしかできないけれど、パパができることは一生懸命やるから、がんばりなさい」
娘「(泣きながら)よろしくお願いします」
 こんなやりとりがあった。うちの娘は何でも1番じゃなければ気がすまない鼻っ柱の強いところがあるが、何か変化があった気がした。俺に「よろしくお願いします」と言ってきた。父と娘の間の信頼がちゃんとできているような気がした。バレエには勝ち負けがない。テニスには勝ち負けがある。結果がすべて。厳しさの先にある笑顔がきっとあるはずだ。

 次女の話も付け加えるが、次女は走ることが苦手。テニスコートをぐるぐる回る練習があるが、最初にコーチから少ない周回数でよいといわれたのにもかかわらず、みんなと同じ周回をまわっていた。僕が心配して近寄ると、むせ返りながらメソメソ泣き始めた。走るのがつらかったらしい。次女が練習の最初にどうも溶け込めず、練習時間の半ばから練習に参加する理由がわかった。走るのが苦手らしい。
俺「もう今日はやめれるか?ビデオでも借りてうちでノンビリおかしでも食べながら見るか?」
次女「・・・(コートを見つめながら無言)」
俺「じゃ、アイスでも買って、うちで付録付の本でも買ってノンビリ遊ぶか?いいよ無理しなくても」
次女「・・・(無言)」
俺「決められないのか?」
次女「・・・(無言でうなずく)」
俺「じゃ、好きにしろ」
 というやりとりがあった。それからしばらくするとコーチに呼ばれ、直接指導を受けながらラケットを振っていた。午後は初の練習試合をおねえさんとやっていた。

 僕自身もそうかもしれないが、きびしいことから逃げない。きびしいことを体験した人のみが得られる笑顔があるはず。

三女も三歳だけど、一人小学生に混じって練習している。まったくほほえましい。
夕方、テニスをやりたくない、と言い出した。よくよく聞いてみると僕と風船遊びがしたいとのこと。三女も私も元気一杯、寒空の中を走り回っています。

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この記事へのコメント

きみさん
2010年04月11日 23:14
お久しぶりです。素晴らしい父親振りです。世の中の子供に甘い親に爪の垢を煎じて飲ませたいくらいです。職場も転勤したみたいだけど、前向きに頑張ってるようだし、同級生として励みになります。何処に異動になったのか知らないけど、機会があったらまた飲みに行きましょう。
と~りょう、
2010年04月14日 13:32
うちの子(長女)もちゅうがくせいになり
部活でソフトテニスを年中無休でやってます。

色々悩みながら頑張っているようです。
親として良いアドバイスが出来れば良いんですけどね?
RUN
2010年04月15日 19:26
きみさん〉自分がどんな父親かわかりませんが、そう感じてもらえるのならよかったのかな。時々思うのは明日愛する家族と必ず会えるかどうかというのは実は不確定なことだと思うのです。だから、常に全力でいこうと思うのです。マラソンで記録を狙うには最初から全力でいく必要があります。人生とマラソンを重ねて、行けるとこまで全力でやりたいと思うのです。娘たちとの関係もです。
RUN
2010年04月15日 19:37
とうりょう〉こんばんわんこ。ごぶさたです。とうりょうの娘も軟式テニスをやってるのね。悩み多き年頃か~・・・。僕は若いうちは悩んだり、怒ったり、泣いたり、腹のそこから笑ったりして、感情の振り幅を大きくしておいたほうがいいかなーと思います。振りがおおきすぎたら親がそっと手をそえるのかな?

そういえばジンクスコンペおもしろそうっすね~。プラモは週末に少しやるぐらいで進みません。次の作品がだせないっす。

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